人間工学
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列車衝撃時の乗客被害の特徴に関する調査研究
小美濃 幸司宇治田 寧白戸 宏明
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1997 年 33 巻 5 号 p. 271-279

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抄録
列車の衝突事故時の乗客の被害軽減対策に必要な情報収集を目的として, 事故調査を実施し, 以下の特徴を明らかにした.
踏切事故では, 列車正面から衝撃を受けた例が94%を占めていた. また, 列車衝突事故では, 停止している列車に衝突する場合が92%であった.
ある列車衝突事故の被害者に対するアンケート調査から, 衝突した際に, 手すり, 床, 人体, 窓などに衝撃して負傷する例が多く, 特に, 人同士の干渉が起きて負傷することが重要な特徴であることがわかった. また, 立位からの姿勢の崩れ方も, 列車衝突事故では重要な要因であることを指摘した.
さらに, コンピュータシミュレーションにより, 列車に加わった衝撃力と人体傷害との関係を検討し, 列車編成全体からみた被害軽減対策が必要であることを指摘した.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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