人間工学
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一般適性検査作業における中断期間の長さが習熟に及ぼす影響
福田 康明大久保 堯夫原 盛将
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1998 年 34 巻 1 号 p. 45-52

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抄録

本研究は, 作業内容や作業因子が異なる5種類の実験作業を行い, 中断期間の長さの変化と習熟の関係について実験作業によって考察した. 実験結果の解析には, 作業の習熟過程における個別時間のばらつきを変動率δでとらえ, 習熟の遂行度を達成度手法を適用し解析した. さらに, 中断習熟の関係を定量的に把握し, 評価することができる中断習熟の評価モデル図と諸係数を提案した.
結果を要約すれば次のようになる. (1) 作業内容や作業因子が異なる5種類の作業について, 達成度手法によって中断習熟を解析した. (2) 達成度Qによって中断習熟の影響を作業内容別に評価すれば, 型盤作業と精神反応速度作業では, 中断期間の長さに伴って達成度Qの値は低値となる. しかし, ほかの作業では, 中断習熟の影響はみられなかった. (3) 作業因子別に中断習熟の影響を検討すれば, 形態知覚能力や精神反応能力などの作業では, 中断習熟に影響を及ぼすが, 手先や指先などの運動器用能力や巧緻性などの作業では影響はみられない. (4) 中断習熟の評価モデル図と諸係数を提案した.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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