抄録
マルチメディア時代と言われる現在, 人間に優しいマン-マシンインタフェース (MMI) の在り方が問われている. MMIの重要な要素の一つである電子音は感性の観点からも, きちんと設計の対象と捉えるべきである. 本論では, 感性を取り入れた電子音評価システムを考える. 電子音の物理パラメータと, 音感を言葉にした評価用語を選び, 評価実験を行って感性データを収集した. 得られたデータをもとにニューラルネットワークを利用した電子音評価システムを構築した. 学習データに使用していない新たな電子音をデザインし, それをニューラルネットワークに入れたときの出力と, 実際の感性データとを比較したところ, 67%の正解率を得た. これにより, 電子音の物理パラメータを入力としたときの電子音の感性が評価でき, 感性からの視点に立った, メロディーのない単純な電子音設計の参考になる.