近年, 群集が歩行することにより橋梁に水平横振動を生じる事例が, イギリス, フランスおよび日本で報告されている. 本研究では, 群集画像から人物領域を抽出するための画像処理手法を構築し, これを応用して群集の歩行により励起される橋梁の水平横振動を分析する. まず, 画像処理によって, 群集中の各歩行者の頭部を50%以上の精度で抽出する手法を構築した. 本手法では, 従来のテンプレートマッチングに実数値GA (Genetic Algorithm: 遺伝的アルゴリズム) を導入し, さらに歩行者の頭部と頭部以外の誤抽出とを分類する機能を追加している. 次に, 時系列画像において, 抽出した歩行者の頭部の動きを追跡するとともに, 橋梁の振動を求めた. 最後に, 各歩行者の動きおよび橋梁の振動から両者の相互関係を定量的に評価した.