抄録
人間・機械系の最適化を計る場合の拘束条件の一つになる手動制御における操作の精度について, 二つの基礎的実験を行ない, つぎに実際問題への応用を検討した.
(1) 制御者は制御対象のゲイン変化に対して広範囲な適応を示すが, 視覚の閾値, 手動のガタなどの影響によって限界があり, 表示装置, 操作機器のゲイン配分は制御系に合わせて合理的に決める必要があることを示した.
(2) 手動による純慣性系の最短時間制御における切り換え時間の精度を測定し, クレーンを例に機械の高速化に対する制限がこの精度によっても規定されることを示した.