抄録
振動が動作能におよぼす影響について, 2, 3の実験を通して考察した. これらのおもな結果をまとめると, つぎのようになる.
1. 左右方向の振動が, トラッキング動作におよぼす影響は3~5cps, 加速度Gにして0.09~0.25Gの範囲であった. これは人体の固有振動に近く, 共振現象の影響であろう.
2. 上下方向の振動が, 反応時間およびステップ制御こおよぼす影響は, 振幅約5mm以下では約7cps近辺の振動数要因の方が大きく, それ以上は加速度の影響が大きい.
3. 動作能の属性のうち, トラッキングのような正確さを要するものの方が, 影響をうけやすい.
4. 位置ぎめ動作は, 通常作業域が影響度が少ない.