[目的]腰椎疾患患者の下肢痛に対して経皮的電気神経刺激(TENS)と温熱もしくは寒冷療法を併用施行した場合の即時的な鎮痛効果について検討することとした.[方法]対象は下肢痛を有する腰椎疾患患者37名とし,TENSのみを施行する単独施行群,TENSとホットパックを併用施行する温熱併用群,TENSとコールドパックを併用施行する寒冷併用群に振り分けた.TENSで使用したパルス振幅値は対象者が不快に感じない最大強度とした.介入前後の下肢痛のVASとその変化量,さらにパルス振幅値について比較した.[結果]介入前後のVASは全群で有意な減少を認めた.VASの変化量は温熱併用群で単独施行群より有意に大きい値を示した.パルス振幅値は温熱併用群で他の2群より有意に大きい値を示した.[考察]温熱療法の併用に伴い痛覚閾値が上昇し,TENSのパルス振幅値が増大することで,門制御の作用向上などが生じた可能性が考えられる.