2019 年 26 巻 1 号 p. 06-11
サルコペニアは,身体的な障害や生活の質の低下,および死などの有害な転帰のリスクを伴うものであり,進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である.また直接的な原因が神経学的問題に起因するものではなく,老嚥,低栄養,侵襲といった要素が加わる事で摂食嚥下関連筋の減弱が生じることをサルコペニアの摂食嚥下障害としている.神経筋電気刺激(NMES)は生体に電流を流すことで伴う生理学的な反応を応用した物理療法の一つであり,筋萎縮予防や筋力増強に有効なツールである.サルコペニアの原因を評価した上で,各症例に合わせた方法かつNMESによる生理学的作用を適切に応用し介入する必要がある.