2024 年 31 巻 1 号 p. 80-85
【目的】肩関節可動域制限を有する肩関節周囲炎11例に拡散型圧力波治療(Radial Pressure Wave:RPW)使用時の即時的効果について明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象は,肩関節可動域制限を有する肩関節周囲炎患者11例11肩,平均年齢59.1±10.5歳である.照射条件は,3.0 bar,10 Hz,2000発照射を行った.評価項目は,肩関節可動域,疼痛評価(Visual Analogue Scale:VAS)とした.評価時期は,RPW照射前後に実施した.【結果】RPW照射前後の可動域変化は,屈曲110.9°から122.2°,外転103.6°から116.8°と改善を認めた.VASは55.9 mmから44.3 mmに減少した.【考察】肩関節可動域の即時的改善効果については,皮膚・皮下組織-筋間の滑走性が改善されることによって可動域が改善した可能性がある.疼痛軽減効果に関しては,自由神経終末の変性によって軽減したと考えられる.【結論】肩関節可動域制限のある肩関節周囲炎患者に対してRPWを照射することで,即時的に肩関節可動域の改善と疼痛の軽減効果を認めた.