物理療法科学
Online ISSN : 2758-1063
Print ISSN : 2188-9805

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末梢の電気刺激を用いた摂食嚥下リハビリテーションの実際
永見 慎輔
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2024-010

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抄録

摂食嚥下障害に対する末梢の電気刺激療法は多数の方法論が存在する.具体的には,神経筋電気刺激(NMES),感覚神経電気刺激,咽頭電気刺激がある.神経筋電気刺激は,国際的に有効性が認知され,広範な疾患を対象として用いられている.国内におけるNMESの主な使用方法としては,舌骨筋群の筋力増強を目的として用いられている.その過程で電極の配置,刺激周波数,持続時間,刺激強度といった要素が筋収縮に影響を及ぼすことが確認されている.さらに,脳血管障害に対するNMESの効果には広範なエビデンスが存在している.いずれにしても機器の特性を正確に理解しつつ用いることが,機能改善に繋げる上で重要と考える.また,本邦で開発された干渉波を活用した感覚神経電気刺激も国内で広く用いられている.前頸部に貼付した電極から干渉波を通電し,深部に刺激を与えることが可能であり,不快感を小さくして咽頭や喉頭への感覚刺激を行う装置である.本装置では,嚥下反射と咳嗽反射の潜時が改善する可能性が示唆されている.さらに,国際的には咽頭電気刺激が多施設共同研究などで検証されており,徐々に知見を拡大している状況であるが,国内では使用することができないのが現状である.

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