抄録
本研究では,大学の授業に構成的グループエンカウンター(SGE)を導入し,受講者の自己概念や適応に
どのような影響を及ぼすかについて検討した。大学生63名(男子39名,女子24名)に対し,コミュニケーシ
ョン,グループディスカッション,キャリアをテーマとしたSGEを実施し,実施の前後での自己概念や適
応に関する指標や各テーマの授業内容について評定を求めた。その結果,実施の前後で指標にほとんど変
化はみられなかった。しかし,グループディスカッションに関するSGEへの評価が肯定的であるほど実施
後の他人や自分への信頼感が増大することや,キャリアに関するSGEへの評価が肯定的であるほど実施後
の職業決定意識が前向きになることなどが認められた。これらの結果から,授業でSGEを行う場合でも,
参加者が実習内容に肯定的であれば効果は充分に期待できることや,大学のキャリア教育にSGEを活用す
る余地があることなどが論じられた。