抄録
二人の小学校教師の実践が報告された。それぞれの実践に共通するのは,クラスの児童を共同生活者と
みなし,Q−U(Questionnaire Utilities)満足度尺度結果を児童らと共有した上で,学級目標の模索とその達
成に向けての具体的行動項目の模索と選択に関して,児童らの話し合いをコーディネートして,教師と児
童がともに学級づくりを進めたこと,すなわち,STEP(Dinkmeyer & Mckay, 1976)の問題解決への模索を
学級集団に適用したことである。また,日々の児童へのかかわりにおいても,賞罰に替わる相互尊重の
STEP的アプローチとしての“勇気づけ”や“I-メッセージ”等がなされた。それらの実践事例から,児童の
主体性を尊重した学級づくりを進める視点が強調された。それらの実践結果は,Q−U結果の共有にかかわ
る配慮およびそのような実践をなし得る理念とスキルの視点から考察された。