体外循環技術
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体外循環中における術野吸引血の特異的サイトカイン活性化とその処理方法についての検討
村木 亮介永田 和之中島 康佑大下 智也有道 真久坂口 太一
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2016 年 43 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

体外循環中の術野吸引血における特異的なサイトカイン活性化をIL-6の測定によって証明するとともに、その処理方法の一つとして自己血回収装置による血液洗浄効果について検証した。方法はSorin社リザーバーHVR-DUALTMを使用し、吸引血を分離。同時間軸にて採血を行い、CBC、血生化学、Free-Hb、IL-6について評価を行った。結果、灌流血・吸引血・洗浄血群間でIL-6(68±56、467±460、51±60pg/mL;P<0.01)、Free-Hb(0.06±0.04、0.21±0.12、0.03±0.02g/dL;P<0.01)と吸引血において有意に上昇を認めたとともに、洗浄処理による除去を確認した。またIL-6上昇に関係する因子として検討した結果、白血球等には関係性は見られなかったが血小板数やFree-Hbには有意な相関を認めた(P<0.05)。なお洗浄処理によって吸引血中血小板の68±16%の除去を示した。これらより、吸引血のサイトカイン活性化は灌流血に比べ特異的に強く、吸引血を分離して処理することは有効であると考えられた。また処理方法については検討中ではあるが自己血回収装置によって活性化血小板の除去とIL-6の除去が確認できたため、有効な方法の一つではないかと考える。

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© 2016 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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