当院では、高齢のケアギバー候補者の管理能力を植込型補助人工心臓DT実施基準に準じて評価を行っているが、基準範囲内であっても機器取り扱いのトレーニングが完遂できない候補者が存在する。そこで今回、トレーニングに難渋する可能性の高い候補者を見極める基準について検討した。本検討は、当院で機器取り扱いのトレーニングを受講したHeartMate3TM装着患者41名とケアギバー候補者31名のMMSEおよびTMT-B(縦版)の結果を用いて行った。トレーニングに難渋したケアギバー候補者を、3回以上テストを行った対象者とし、DT実施基準の基準値であるMMSE 24点、TMT-B 300秒で層別化して検討を行った。次に、ROC解析を用いてトレーニングに難渋する可能性の高いケアギバー候補者の検出能を評価した。その結果、現在用いられている基準値であるMMSE 24点、TMT-B 300秒とテストの実施回数が3回以上であることには統計学的な関連性は認められなかった。続いてROC解析を行ったところ、MMSEに関してはAUCが0.52であり、統計的な有意性は認められなかったが(p=0.82)、TMT-Bのカットオフ値は115秒と算出され(感度78.6%、特異度84.5%、曲線下面積(AUC)0.83)、統計学的な有意性を認めた(p=0.02)。