体外循環技術
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研究論文
人工心肺中の高血糖が吸入麻酔薬の心筋保護効果に与える影響についての検討
山田 健太内藤 達哉神園 武関本 崇恒吉 裕史
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2026 年 53 巻 1 号 p. 5-12

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抄録

 吸入麻酔薬であるイソフルランは、糖尿病や高血糖状態においてプレコンディショニング効果の閾値が上昇すると報告されている。しかし、セボフルランにおいては同様の報告は認められていない。そこで本研究では、人工心肺(CPB)中の高血糖状態がセボフルランの心筋保護作用に与える影響について検討した。

 2020年1月から2024年12月までにCPB中にセボフルランを使用した順行性冠灌流単独症例101例を対象とした。CPB中の最大血糖値で検討したところ有意差は認められなかった。糖尿病が心筋保護作用に与える影響についての検討では非糖尿病群に有意差を認めたが大動脈遮断時間に影響されていると考えられ、糖尿病が心筋保護作用を抑制したとは考えづらい。血糖の変動値とVfの発生率との間には統計学的な関連がみられたが、変動係数の比較ではVf群とnon-Vf群で大きな差はなく、両群ともに変動が大きい傾向を示した。

 これらの結果から、セボフルランのプレコンディショニング効果による心筋保護作用は、高血糖状態や血糖の変動値によって抑制されない可能性が示唆された。

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