抄録
我々は,AFFINITYを用いて同一人工心肺下に常温体外循環(6例)と低温体外循環(6例)を施行した結果より,温度面からAFFINITYのガス交換能,血液有形成分に対する影響を比較検討した。酸素加能,炭酸ガス排出能は双方共に良好であり,常温においても酸素加能の低下は見られず安定した結果が得られた。血液有形成分に対する影響としては,WBCが体外循環中30分,60分で常温のほうが高値を示し有意差を認めたが,その他,Hb,Pl,F-Hb,PF4,β-TGにおいては,有意差は認められなかった。WBCで有意差を認めたのは,正常体温のほうが低体温に比べ代謝が活発に行われるためだと思われる。AFFINITYは,特にガス交換能に優れており,常温,低温において安全な体外循環を行うことができた。