体外循環技術
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『分離低体温法』を逆行性および順行性脳分離体外循環に応用した31例の検討
荒木 康幸松崎 亮二濱田 倫朗園田 昭彦外口 敬作川野 洋眞平山 純一三隅 寛恭中島 昌道
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1995 年 21 巻 2 号 p. 45-51

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抄録
1994年9月末までの過去3年間に選択的脳灌流法10例,持続的逆行性脳灌流法21例,計31例の脳分離体外循環を経験した。当施設では,脳灌流のみ超低体温に保ち,大腿動脈送血を中等度低体温に保つため脳灌流送血ライン途中に熱交換器をとりつけた。目標咽頭温を15℃,直腸温を25~30℃にすることにより超低体温の合併症を軽減されると考える。また,動脈硬化の進行した症例では大腿動脈送血により粥状硬化著明な下行大動脈の剥離内膜片による脳梗塞の危険性もしくは,リエントリーからの逆行性解離の危険性が考えられる。よって,大腿動脈送血のみでなく腋窩動脈との併用,人工血管置換術終了後は上行大動脈送血に変更し送血するよう工夫した。これらの工夫により脳障害を合併せず安全な脳分離体外循環が可能と考えられる。
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© 日本体外循環技術医学会
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