体外循環技術
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術後,遠心ポンプによる補助循環を施行し,救命し得た小児症例の経験
会田 治男見目 恭一織田 豊関口 敦田畑 善朗深谷 隆史森田 高志片倉 健二郎笹川 繁許 俊鋭
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1995 年 21 巻 2 号 p. 76-79

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抄録
今回我々は,小児開心術後に遠心ポンプによる補助循環を施行し,救命し得た。症例は1歳6ケ月の女児,体重9.6kgである。補助循環は,遠心ポンプで行い,回路の充填には体外循環中の潅流液を用いた。開始約4時間後よりドレーン血の返血を輸液ポンプにて行った。32時間後からは持続的限外濾過を行った。約45時間後心機能の改善が得られ,補助循環を離脱,約3ケ月後に軽快退院となった。我々は,以下の工夫により安定した補助循環を施行し得た。補助循環への移行時に潅流液を補助循環回路充填液に使用し,新たな充填液による血行動態の変動を無くし,スムーズに補助循環に移行することができた。ドレーン出血の返血を,輸液ポンプを使用して返血し,安全に継続的に行ったため血行動態の変動を極めて少なくでき,血液の損失を減少せし得た。また,尿量減少に際し,早期から持続的限外濾過を行い,急性の腎不全に対応し得た。本症例の改良点は小児専用の抗血栓性での補助循環セットの作成であると考えられた。
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© 日本体外循環技術医学会
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