体外循環技術
Online ISSN : 1884-5452
Print ISSN : 0912-2664
ISSN-L : 0912-2664
体外循環中におけるHepcon-HMSの臨床的検討
―ヘパリン・プロタミンの抗凝固管理―
北田 博市松尾 光則飯田 弘美未廣 茂文柴田 俊彦佐々木 康之熊野 浩金子 和麿細野 光治藤井 弘通
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 24 巻 2 号 p. 21-25

詳細
抄録

体外循環中のヘパリン・プロタミンの抗凝固管理をMedtromic社製Hepcon-HMS(HMS)を使用し,当院での従来の方法(1.5mg/kg)と比較検討した。HMS群ではヘパリン感受性(HDR)の結果1.7±1.4mg/kgとなり,ばらつきが見られた。体外循環中のヘパリン濃度は0.7mg/kg(1.0U/ml)前後を推移し,ACTとの相関関係は見られなかった。凝固・線溶系の指標は両群間に有意差は認めなかった。プロタミン量はHMS群で60.5±21.5mg,NHMS群で98.8±23.0mgと有意に低下した。止血時間はHMS群で98±13分,NHMS群で126±25分であり,術後出血量(24時間)は,HMSで353±123ml,NHMS群454±91mlで有意差を認めた。HMSの使用により,目標ACT値に必要なヘパリン量,プロタミン至適中和量が得られ,プロタミン量の減量につながり,止血時間・術後出血量とも軽減され臨床上有用であると考える。

著者関連情報
© 日本体外循環技術医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top