抄録
維持透析患者の待機的冠動脈バイパス術2症例に対し,術前に連続2目間の血液透析を行い,術中には血液透析を施行せずにECUMのみを行い,ICU帰室後より持続血液透析(CHD)を行った。BUN,Cr,K,myoglobin,遊離ヘモグロビン,ヘモグロビンおよび水分バランス,CVP等について周術期管理は容易に制御可能であった。待機的手術症例であれば,透析患者といえども術前の確実なHDと術後のCHDを施行すれば,術中はHDを施行せずECUMのみで電解質,水分バランスは十分に制御でき,通常の体外循環と特別変わらない方法で手術可能であった。