1999 年 26 巻 2 号 p. 96-100
現在当科では,特に冠動脈バイパス術において,心筋虚血および大動脈遮断解除後の再灌流障害回避のため,連合型心筋保護法を行っている。連合型心筋保護法は,従来の心筋保護法に比べ,大動脈遮断中の心筋障害を大幅に軽減できるが,手技が繁雑であり,blood cardioplegiaとnon-cardioplegic blood注入の切り替え,および術野からの温度コントロールの指示に即座に対応が可能であることが必要である。そのため,連合型心筋保護法を確実に行うためには,安全・的確な注入操作の実現と,かつ優れた加冷温能を有した装置が不可欠となる。今回使用したCP-3000トリプルポンプは上記の条件を満たした優れた装置であった。