体外循環技術
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超低体温間歇的循環停止法を用いた慢性肺血栓塞栓症(CPTE)4症例の経験
石川 正敏服部 良信石川 隆志山内 章弘海江 田章豊崎 正人三澤 健治榊原 未和秋山 玲奈伊藤 康宏日比 谷信
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2003 年 30 巻 1 号 p. 39-42

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抄録

【要旨】肺高血圧症を合併した慢性肺血栓塞栓症の4症例に対し,体外循環を用いた超低体温間歇的循環停止法による両側肺動脈血栓内膜摘除術を行った。本法は分離回路などの特殊な回路構成を必要とせず,通常の体外循環のON・OFF法のみで施行可能である。全例全身麻酔下に胸骨正中切開後,上行大動脈送血,上下大静脈の2本脱血にて体外循環を開始し,中枢温15~16℃ で上行大動脈を遮断し,心筋保護を行った。その後,間歌的循環停止下にて両側肺動脈血栓内膜摘除を行った。総体外循環時間243±15分,心停止時間157±11分,総循環停止時間64±7分であった。4症例ともに体外循環を用いることにより,血栓内膜を安全に摘除することができ,脳神経学的な合併症もなく術後症状が改善した。

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© 日本体外循環技術医学会
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