体外循環技術
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超音波ドプラ血流計の使用法について
大隅 進佐藤 景二後藤 彰興津 英和児玉 博樹興津 健吾茶山 宣島本 光臣
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2003 年 30 巻 3 号 p. 281-284

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抄録
【要旨】遠心ポンプの超音波ドプラ血流計は,測定部位や血液性状などの影響を受けやすい。今回,測定部位,流体温度,流速,流路抵抗などの条件下で,ドプラ血流計の測定値を検証し,取扱い方法を検討した。メーカー推奨設置点(P点)を基準に,バブルトラップ出口(B点),直線回路部位(S点)で測定した。同時にトランジット血流計で測定し,値を比較した。結果,ドプラ血流計のP点を基準値としたとき,B点の誤差範囲外値の発生割合は42%,S点で20%であった。トランジット血流計はS点で4%であった。また,ローラーポンプの流量を基準値とし測定した。結果,誤差範囲外値は,ドプラ血流計ではB点で56%,S点で5%であった。トランジット血流計は誤差範囲内であった。更に,P点で,ドプラセンサー取付け回路が傾いたときの表示誤差を確かめた。結果,遠心ポンプの内回り方向に傾いたとき,誤差範囲外値を示した。ドプラ血流計は血液回路内の血流速度分布の変動に影響されることが示唆され,測定部位はメーカー推奨位置が適当と考えられた。
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© 日本体外循環技術医学会
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