体外循環技術
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30 巻, 3 号
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  • 川原 克信
    2003 年30 巻3 号 p. 263-268
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 司, 工藤 英範, 高濱 由起子, 内海 展子, 山本 晋, 川崎 志保理, 高澤 賢次, 宮本 秀昭
    2003 年30 巻3 号 p. 269-273
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】QUANTUM(7例),D903(14例),HILITE(7例)の3種類の膜型人工肺を使用し,血液損傷(Hb,Ht,Plt,FreeHb,β-TG,PF4)と操作性・安全性(準備,体外循環中操作,残血処理)について比較検討した。その結果,血液損傷の比較では,3群間に有意差は見られなかった。操作性・安全性の比較では,QUANTUMは付属機能が少なくシンプルな構造で,準備や回路内残血の処理は良好だったが,ソフトリザーバーのため,血液レベルが見づらく,脱血側からの空気混入時に気泡除去が煩雑であった。D903は体外循環中の操作と回路内残血の処理は良好だったが,固定台,付属機能に問題があった。HILITEは体外循環中の操作は良好だったが,準備,回路内残血の処理で,シャントラインなどの付属機能が多く,操作が煩雑であった。付属機能は,操作性と安全性を向上させると考えられているが,実際には不要な機能が多く,QUANTUMのようなシンプルな構造の膜型肺が操作性と安全性に優れていると考えられた。
  • 窪田 將司, 山口 和也, 澤崎 史明, 堂野 隆史, 河田 修一, 鷹橋 浩, 黒田 廣, 瀧上 剛, 大場 淳一, 青木 秀俊
    2003 年30 巻3 号 p. 274-280
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】RAP, RPを冠動脈バイパス術48例(R群)に施行し,RAP非施行例65例(C群)と比較検討した。更に術前自己血貯血をしなかったR群の43例とC群の44例も比較した。RAPの方法は収縮期血圧80mmHg以上を保ちつつ,回路内の充填液を患者血液で置換し,静血ラインを充填しないRPも追加して更なる希釈液量の削減も図った。その結果,RAP, RPにより,初期充填液量を1,100mLから580.3mLに削減できた。術前自己血保有率はR群10.4%,C群32.3%とC群で有意に高かったため,無輸血率もR群41.7%,C群50.8%とC群で高かった。しかし,同種血輸血量(輸血量)はR群平均636mL,C群平均716mLと差はなかった。自己血を有しない症例での比較では,無輸血率はR群41.9%,C群34.1%とR群で高値を示した。更に,輸血量はR群平均636mL,C群平均966mL(p=0.052)とR群で少なかった。術後24時間出血量,尿量は両群間に有意差を認めなかった。以上よりRAP,RPは,術中術後に悪影響を及ぼすことなく,無輸血率の向上および輸血量を削減できると結論した。
  • 大隅 進, 佐藤 景二, 後藤 彰, 興津 英和, 児玉 博樹, 興津 健吾, 茶山 宣, 島本 光臣
    2003 年30 巻3 号 p. 281-284
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】遠心ポンプの超音波ドプラ血流計は,測定部位や血液性状などの影響を受けやすい。今回,測定部位,流体温度,流速,流路抵抗などの条件下で,ドプラ血流計の測定値を検証し,取扱い方法を検討した。メーカー推奨設置点(P点)を基準に,バブルトラップ出口(B点),直線回路部位(S点)で測定した。同時にトランジット血流計で測定し,値を比較した。結果,ドプラ血流計のP点を基準値としたとき,B点の誤差範囲外値の発生割合は42%,S点で20%であった。トランジット血流計はS点で4%であった。また,ローラーポンプの流量を基準値とし測定した。結果,誤差範囲外値は,ドプラ血流計ではB点で56%,S点で5%であった。トランジット血流計は誤差範囲内であった。更に,P点で,ドプラセンサー取付け回路が傾いたときの表示誤差を確かめた。結果,遠心ポンプの内回り方向に傾いたとき,誤差範囲外値を示した。ドプラ血流計は血液回路内の血流速度分布の変動に影響されることが示唆され,測定部位はメーカー推奨位置が適当と考えられた。
  • 朝日 亨, 小林 英知, 谷澤 勝, 佐藤 洋平, 山村 晃生, 清水 剛, 石丸 新
    2003 年30 巻3 号 p. 285-289
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【要旨】非侵襲的で連続的な脳酸素飽和度モニタであるEdward社製INVOS4100(INVOS)を,選択的脳潅流(SCP)を行った8症例で使用した。体外循環中の脳酸素飽和度(rSO2)の変化と循環停止時,左総頸動脈血流停止時から2分前と2分後の比較と,SCP開始5分前と5分後の左右差を比較した。体外循環中rSO2値は,手術操作,体温などにより変化した。循環停止時から2分後のrSO2値は左右両チャンネルで,左総頸動脈血流停止時から2分後のrSO2値は左チャンネルで有意に低下したことから,INVOSは鋭敏なモニタであると考えられた。左右差においてはSCP開始後,有意に拡大した。左右のSCPは形状の違うカニューレで送血したため,左右の脳血流量が均等に流れていない可能性が示唆された。INVOSは,脳の酸素状態が鋭敏にモニタできたことから,SCPを操作するうえで有用なモニタであると考えられた。
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