体外循環技術
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手術室における過電流防止の取り組み
―過電流用遮断機への負荷―
田上 佳奈松本 恵子糸川 珠美角野 令子近藤 千裕西山 登司雄今村 愛美片岡 三香笹山 奈美子福岡 和秀
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2004 年 31 巻 2 号 p. 225-228

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抄録
【要旨】心臓手術時には多種多様の機器が使用される。これに対し,絶縁トランスや過電流用遮断機(ブレーカー)の容量には限度があるため,電流の増加による通電の遮断の恐れがある。手術中の停電は重篤な医療事故につながるため,現在の負荷電流を測定し防止対策を行った。始めにルーム内のコンセント回路の配線を確認した。次に心臓手術時に使用されている機器の定格電流を把握し,機器表面にシールで表示をした。更に,自作の測定回路を用いて,実際の電流量を測定した。使用機器,定格電流,実測値を記入し,絶縁トランス,ブレーカーに集まる電流量を簡易に計算できるフォームを作成した。電流量が10A以下の機器には緑色のシールを用いて接続するコンセントを指定した。また,10A以上の機器には赤色のシールを用いて「単独使用」と明記した。ルームセッティング時には機器配置図と接続するコンセントを指定した表を使用した。結果,電流を適切に分散し,過電流による通電遮断および加熱による火災を防止できたと考える。また,電流量を実測することで機器の負荷状態を早期に把握することができた。
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© 日本体外循環技術医学会
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