体外循環技術
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小児用動脈フィルタを可能な限り低充填化(充填量15mL)するための検討
北本 憲永神谷 典男高柳 綾子小出 昌秋
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2004 年 31 巻 4 号 p. 446-449

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抄録
小児の人工心肺初期充填量軽減を行うため,代表的な動脈フィルタの気泡捕捉能力を確認することで,動脈フィルタの低充填化が可能であると考え製品化を検討した。作製の条件は,最大流量を1.5L/min以上,充填 量を15mL以で,フィルタ孔径40μm,血液流出入口は横から入り横から出る形状とした。圧力損失と気泡捕捉能力はテルモ社製動脈フィルタCX-AFO2(AFO2)の規定最大流量2.5L/minを基準に設定した。AF02で40μm以上の気泡を捕捉できた注入量は10mLであったことから,それに見合った構造を検討し,実験用動脈フィルタ(試作品)を作製し評価した。作製した試作品は,配置も良好で,充填 も容易に行えた。圧力損失は流量1.5L/minで,試作品・AFO2ともに16.5mmHg,2.5L/minでは試作品40.5mmHg,AF02で39.OmmHgとなった。気泡捕捉能力は動脈フィルタ入口部より注入した場合,試作品で流量0~1.5L/minまでは10ml,2.OL/minで8mLであった。試作品を微小凝集塊除去フィルタと考えるなら臨床使用が可能と考えられた。
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© 日本体外循環技術医学会
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