体外循環技術
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遠心ポンプの実験的性能評価
―Mixflowの駆出特性と熱特性―
原 和信上田 彰向井 憲子栗原 大典
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キーワード: 低充填量, 駆出特性, 熱特性
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2005 年 32 巻 1 号 p. 64-67

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抄録
【要旨】20mLの低充填量で体外循環を可能としたJMS社製遠心ポンプMixflow7の駆出特性と熱特性について,模擬回路を使用し,他の3機種とin vitroにて比較検討した。駆出特性の測定は回転数を1,000rpm~5,000rpmまで1,000rpmずつ変化させ灌流量を0L/min~10L/minまで0.5Lごとに変化させたときの回路内圧を測定した。熱特性の測定には,灌流量4L/min時おける,揚程300mmHgと400mmHg時の遠心ポンプ直後の液温変化量とモーターユニット表面温変化量を5分ごと60分計測した。流量2L,3L,4Lいずれの流量時においても回転数はMixflow7,RF-32,HPM-15,ジャイロの順に高くなった。液温変化で両揚程時における60分後の機種ごとの上昇温度を比較すると大きな温度差はなかった。モーター温変化では回転数の増加によりHPM-15の上昇が大きくなったが,3機種では60分後の上昇温度の変化はほとんどなかった。HQ特性における回転数はMixflow7,RF-32,HPM-15,ジャイロの順に高かった。液温変化量の差は対流方式の有無,モーター温変化量はフィンの面積とファンの数による違いであった。Mixflow7は臨床上十分なポンプ性能を有していた。
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© 日本体外循環技術医学会
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