体外循環技術
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脳分離体外循環法とその検討
佐藤 昌臣高 寛川崎 広樹橋本 祐介高戸 真紗美慰斗 恵理子小木 幸人
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2005 年 32 巻 1 号 p. 82-84

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抄録
【要旨】近年,脳分離体外循環法とその手術手技は確立され成績は飛躍的に向上した。当院でも良好な成績を収めているのでその方法を報告する。対象は平成13年1月から平成15年12月までの胸部大動脈瘤111例のうち,弓部再建を施行した50例とした。選択的脳灌流(SCP)は,1ローラー2分枝送血とし,腕頭動脈に4mL/kg/min(16Fr),左総頸動脈に3mL/kg/min(14Fr)の計7mL/kg/min(最大500mL/min)で行った。体循環とSCPのポンプが人工肺(落差灌流型)の出口から二股になっていて,別々に制御できるため安全で容易に操作することができた。INVOSのrSO2とCDI100のSvO2の値を適正灌流量の指標にした。体外循環中にコントミンを使用し,CO2を高値に維持(αstat)することで血管抵抗が下がり,冷却・復温にかかる時間を早められたのではないかと考える。脳分離体外循環法は各施設で様々な改良がなされている。我々が使用している回路は簡便でセットアップ時間も早く,操作も容易であり,安全に脳分離体外循環を施行できた。
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© 日本体外循環技術医学会
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