抄録
【要旨】ICD植込み患者が所有し,使用したい機器からの電磁波による影響を調査した。初めに,調査対象機器において静磁界,変動磁界,電場強度を測定し,被調査ICDへの電磁干渉レベルを静磁界10G,変動磁界0.6G,電場強度140V/m以上として,電磁波の影響を受けないと考えられるICDと機器との距離を求めた。次に,Irnichの人体モデルを用いて本体および除細動リード上にて機器を作動させ,電磁波をセンシングすることによるペーシングスパイクの抑制の有無をプログラマにて確認した。調査の結果,機器直上での測定で,電磁干渉レベルオーバー機器は静磁界3機種,変動磁界6機種,電場強度1機種であったが,いずれも距離10~20cm離れると影響がないと考えられる値まで低下した。また,ペーシングスパイクの抑制が生じたのは,除細動リードで単発のオーバーセンスが生じた1機種のみであった。日常使用する機器を安全に使用するための確保すべき距離を明確化できたことで,患者のQOLの維持を図り,精神的不安を軽減できた。