体外循環技術
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膜型人工肺の検討
― RX-15,OxiaLP,D-705について―
鈴木 雅和相澤 絵里伊藤 孝彦菊地 徹
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キーワード: ガス交換膜面積
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2006 年 33 巻 4 号 p. 456-459

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抄録

【要旨】従来まで,体表面積1.5m2以下の体外循環症例に小口径の中人用回路と組み合わせ,膜型人工肺Dideco社製D-705,JMS社製OxiaLPを使用してきた。今回TERUMO社製CAPIOX RX-15を使用する機会を得たので報告する。各人工肺に対し中人用回路を組み合わせ,総充填量,体外循環条件,血液濃縮器の使用状況,術後出血,圧力損失,ガス交換能,静脈リザーバー性能を比較検討した。総充填 量はRX-15が少なく,圧力損失はD-705>OxiaLP RX-15であった。ガス交換能はD-705が他の人工肺に比べ,10%ほどFiO2を高く維持しなければならない結果であったが,いずれも十分な性能を有していた。またOxiaLPとRX-15はほぼ同等のガス交換性能を有していたが,最大血流量7L/minのOxiaLPは幅広く対応できる利点がある。しかし,RX-15はガス交換膜面積を大きく取ることで,低充填 量人工肺の課題である安定性を取り入れた人工肺であると考える。

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© 日本体外循環技術医学会
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