体外循環における経皮的炭酸ガス分圧(tcPCO2)モニターの使用経験

抄録

体外循環における経皮的炭酸ガス分圧モニターSENTEC社デジタルモニターシステムを臨床使用した。体外循環を行った2症例の成人患者を対象とした。SENTECのプローブを右耳朶に装着した。術中、無作為に経皮的炭酸ガス分圧(tcPCO2)並びに左橈骨動脈、あるいは人工心肺回路からのPaCO2を同時測定し比較検討した。人工換気および体外循環中の相関係数はR=0.62(P<0.05)、回帰直線はY=1.02X-1.37で正の相関を認めた。しかし末梢組織での炭酸ガス換気応答を見るtcPCO2モニターは体外循環に伴う不均衡な末梢循環のため、PaCO2とtcPCO2の測定値にばらつきが見られた。そのため体外循環におけるtcPCO2モニターは不均衡な末梢循環のため、炭酸ガス換気応答の指標としては信頼性が低いことが示唆された。