日本摂食障害学会雑誌
Online ISSN : 2436-0139
シンポジウム1
摂食障害入院患者看護のスキルアップとその課題
関根 典子山﨑 美穂新田 厚子河合 啓介
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2021 年 1 巻 1 号 p. 19-27

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抄録

摂食障害の看護では,摂食障害患者に対して先入観を持たず,その病態を正しく理解する姿勢が基本となる。さらに,患者が自律的に望ましい行動変容に向かうことを大きな目標とし,共感的・受容的な姿勢で寄り添う役割も担う。しかし摂食障害では,患者と看護者の治療関係の構築の難しさが散見され,看護師が患者に対して陰性感情を抱いたり,モチベーションの低下に繋がったりすることもある。当科では,その対策として,摂食障害の病態理解を目的とした勉強会や症例検討会の実施,また医師と看護師は,他職種とチームとして関わり,治療方針や日々の対応について詳細な情報交換を行い,一貫した対応方法を目指している。さらに,入院時オリエンテーション用紙の活用や,スタッフ内でチームの良い雰囲気を作る取り組みなどを行い,スタッフの看護向上を図っている。本稿では,これらの取り組みの実際について症例を交えて報告する。

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© 2021 日本摂食障害学会
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