日本摂食障害学会雑誌
Online ISSN : 2436-0139
原著
摂食障害のオンライン家族心理教育グループの効果に関する一考察
望月 洋介磯部 智代
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2024 年 4 巻 1 号 p. 26-36

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抄録

目的:本研究は,3セッションで構成された摂食障害のオンライン家族心理教育グループ(家族教室)の効果を検討した。

方法:静岡県摂食障害支援拠点病院主催のオンライン家族教室に参加した家族(39名)を対象に,事前・事後で19項目のアンケートを実施した。分析には,Wilcoxonの符号付き順位検定を用いた。

結果:摂食障害の知識・情報や外在化の考え方を含む対処技能の獲得,精神的な苦痛の軽減などの効果が確認できた。一方,家族教室の場に安心感や親密感は持てていたが,孤立感の軽減は確認できなかった。

考察:オンライン家族教室であっても,一定の効果があることが確認されたが,家族教室終了後に余韻が残らずに関係が途切れてしまうオンライン特有の問題や,家族内の協力体制に関するプログラム面の課題,複数の家族成員での参加を推奨する必要性について指摘した。加えて,回復例や家族のストレスケアに関する情報提示の工夫の必要性についても述べた。

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© 2024 日本摂食障害学会
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