教育心理学研究
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原著
認知的方略尺度の作成および信頼性・妥当性の検討
—熟考の細分化を目指して—
外山 美樹
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2015 年 63 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

 本研究の目的は, 熟考を“結果に対する熟考”と“計画に対する熟考”に分けて測定できる認知的方略尺度を新たに作成し, その信頼性と妥当性を検証することであった。研究1より, “失敗に対する予期・熟考”, “成功に対する熟考”, “計画に対する熟考”ならびに“過去のパフォーマンスの認知”の4つを下位尺度とする認知的方略尺度20項目が作成された。また, 研究2より, 認知的方略尺度の信頼性(内的一貫性と時間的安定性)と一部の妥当性が確認された。研究3より, 認知的方略尺度の下位尺度の組み合わせによって, 4つ(防衛的悲観主義群, 楽観主義群, 悲観主義群, メタ認知低群)の異なった認知的方略パターンが確認された。4つの群の存在ならびに各群における特徴は, 先行研究とほぼ同様であり, 本尺度を用いて4つの異なった認知的方略パターンを抽出することが可能になったと言える。

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© 2015 日本教育心理学会
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