J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

教育心理学研究
Vol. 63 (2015) No. 4 教育心理学研究 p. 372-385

記事言語:

http://doi.org/10.5926/jjep.63.372

原著

 本研究では, 中学生の学習動機づけの変化を規定する要因として, 「テストの実施目的・役割に対する学習者の認識」であるテスト観に着目して研究を行った。中学1—3年生2730名を対象に, 定期テストが実施される度に調査を行い(2013年6月, 9月, 12月, 2014年2月の計4回), マルチレベル分析によって学習動機づけとテスト観の個人内での共変関係を検討するとともに, 構造方程式モデリングによって, テスト観が学習動機づけに与える影響について検討を行った。これらの分析の結果, テストの学習改善としての役割を強く認識することによって, 内的調整や同一化的調整といった自律的な学習動機づけが高まることが示された。その一方で, 学習を強制するためにテストが実施されていると認識することによって, 内的調整が低下し, 統制的な学習動機づけとされる取り入れ的調整と外的調整は高まることが示された。以上のことから, 中学生のテスト観に介入することによって, 自律的な学習動機づけを維持・向上させることが可能であることが示唆された。

Copyright © 2015 日本教育心理学会

記事ツール

この記事を共有