教育心理学研究
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原著[実践研究]
大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングの有効性
—チームワーク能力の構成要素に着目して—
太幡 直也
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2016 年 64 巻 1 号 p. 118-130

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抄録
 本研究の目的は, 大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングの有効性を, 個人のチームワーク能力を構成要素ごとに測定する尺度を用いて検証することであった。大学生に, 聴くスキル, 説得するスキル, リーダーシップのスキルを向上させるトレーニングを実施した。トレーニング実施前後に, 彼らに, 社会的スキルや, チームワーク能力の5つの構成要素(“コミュニケーション能力”, “チーム志向能力”, “バックアップ能力”, “モニタリング能力”, “リーダーシップ能力”)を測定する尺度に回答するように求めた。また, トレーニングを実施していない大学生にも, 同じ時期に同様の尺度に回答するように求めた。その結果, トレーニング実施条件は非実施条件に比べ, 社会的スキル, チームワーク能力の5つの構成要素の多くについて, 事後の得点の上昇が大きかった。したがって, 実施したトレーニングが, 大学生のチームワーク能力を向上させる点で有効であったと考えられる。
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© 2016 日本教育心理学会
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