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教育心理学研究
Vol. 65 (2017) No. 1 教育心理学研究 p. 52-63

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http://doi.org/10.5926/jjep.65.52

原著

 本研究は脅威性, コーピング, 感情というストレス・プロセスにおいて変量効果を仮定することで個人差を表現し, 諸変数間の関連を明らかにすることで対人ストレスを経験した後に生じる個人差をパーソナリティ特性とコーピング評価によって説明できるかを検討した。本研究では, 日誌法を用いて82名の大学生に調査を行い, 1週間にわたって1日2回, 日々の日常的出来事, 対人ストレス, コーピング, 半日の感情状態について回答を求めた。分析の結果, 積極的行動と回避的思考の行使はそれぞれ個人内水準において適応的な遅延効果と即時的効果を示し, 回避的行動の行使は不適応的な即自的効果を示した。また, 肯定的解釈の行使は個人内水準において, 直後には適応的効果をもつにもかかわらず, その後に不適応的効果を示すという逆転効果をもつことが示された。さらに, コーピング評価と神経症傾向では, 脅威性と回避型行動および回避的思考と抑うつ・不安との間でクロス水準交互作用が確認されたが, その効果はあくまでも限定的なものに留まった。最後に, 介入研究における個人内プロセスの個人差を変量効果として扱うことの重要性を議論した。

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