教育心理学研究
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原著
感謝表出スキルの実行が孤独感の低減に及ぼす効果
酒井 智弘相川 充
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2020 年 68 巻 2 号 p. 111-121

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抄録

 本研究の目的は,感謝表出スキルの実行が孤独感の低減に及ぼす効果を質問紙調査と介入実験によって検討することであった。研究1の質問紙調査では,感謝表出スキルの実行が知覚されたサポートを媒介して孤独感の低減に及ぼす効果を検討した。研究1の結果は,感謝表出スキルの実行が知覚されたサポートを媒介して孤独感の低減に及ぼす効果を示した。研究2は,研究1の結果を介入実験によって検討した。研究2の介入実験では,ソーシャルスキル・トレーニングの手法によって感謝表出スキルの実行を促し,感謝表出スキルの実行が知覚されたサポートの向上と孤独感の低減に及ぼす効果を検討した。研究2の結果は,感謝表出スキルの実行には,孤独感の低減に及ぼす効果が一定程度あることを示唆した。以上の2つの研究の結果を総合すれば,本研究は,感謝表出スキルの実行が孤独感の低減に及ぼす効果を実証したと言える。

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© 2020 日本教育心理学会
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