教育心理学研究
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原著
児童はクラスメートに実施される個別支援をどのように捉えるのか
―学級適応感および場面差に着目して―
古村 真帆
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2023 年 71 巻 4 号 p. 277-290

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抄録

 本研究の目的は,児童がクラスメートに実施される個別支援をどのように捉えるのかについて学級適応感および場面差に着目した検討をすることであった。仮想の個別支援が実施される授業場面課題と学級適応感尺度を実施した。その結果,中学年では,被信頼・受容感が高いと個別支援に対する共感は高く無関心や不満は少ない,高学年では,居心地の良さの感覚・充実感が高いと個別支援に対する肯定・無関心は少ないことが明らかになった。加えて,個別支援の捉え方の組み合わせと学級適応感の関連を探索的に検討したところ,高学年では居心地の良さの感覚が高いと個別支援に不干渉は少なく両価的な捉え方をする児童が多いことが示された。

 以上より,中学年では被信頼・受容感を高めることで児童の不満は生じにくいことを指摘した。高学年で,居心地の良さの感覚が高いと個別支援に両価的な捉え方が生じたことについて集団の成熟の視点から理論的仮説を論じた。

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© 2023 日本教育心理学会
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