教育心理学研究
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精神遅滞児の臨床的研究
山下 功
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1963 年 11 巻 2 号 p. 105-123,128

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抄録

1) 九大小児科に受診した精神遅滞児1637名について診断名によつて分類し, その症型別特徴について検討した。
2) 被験者を男女別に分けると男子にその出現率が高く, 症型によつてそれぞれ出現率に差があることが認められた。
3) 精神遅滞児の中には両親が血族結婚の者が多ぐ, 出生順位, 出生時の母親の年令も症型によつては関係の深いものがある。
4) 精神遅滞児の出産状態や生下時体重をみると障害があつたり, 未熟であつた者が多い。
5) 身体的に見て精神遅滞児の体格は悪く, 特に体重, 頭囲, 栄養の面では劣つているが, 体質的には正常児と差はない。しかし骨発育では発育が遅れており, 脳波でも障害のある者が多い。
6) 精神的発達ではそれぞれの症型によつて特徴があり, 運動性の欠陥を第一次的障害に持ち, 二次的に精神的遅れを示したものと, 精神的遅れを一次的の障害に持ち, 運動面の遅れを二次的に示しているものとがある。

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© 日本教育心理学会
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