教育心理学研究
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時間判断法による青年の前途展望の研究
山中 忠茂
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1970 年 18 巻 1 号 p. 48-56

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抄録
1. 中学生群の前途展望は, 大学生群のそれよりも分散が大で, 主観的展望の傾向が強いように思われる。そこで青年前期から後期にかけて情緒の成熟を仮定できる。
2. 現在の自己認知と時間判断の広がりとは関連がある。
3. 近い将来の問題, 自分に関する問題は。中学生では想像率が高く, 分散が小であり, 大学生とあまり差がない。
4. 希望的カテゴリーはより近い将来に判断される傾向がある。しかし大学生ではそのなかでも, 社会に関する問題は, その逆になる。
5. 時間問題判断の傾向および広がりに, 性差, 年令がみとめられる。
6. 時間判断と性格との関係は, この研究では明りようでない。
問題点として次のことがあげられる。
1. 項目の選びかた, カテゴリーの作りかたに問題がある。
2. 結果の数値, たとえば時間段階を示す数字などはさらに工夫が必要
3. 時間段階の区分のしかたもおおまかすぎた。
4. おおまかで概略的な研究なので, 今後こまかく問題を限定して研究する必要がある。
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© 日本教育心理学会
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