教育心理学研究
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へき地と都市における幼児の認知および運動能力
杉村 健
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1980 年 28 巻 4 号 p. 324-327

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抄録

奈良県下のへき地の保育所, 奈良市内の保育所および幼稚園の幼児, 合計280名に, マッカーシー認知能力診断検査を実施した。主な結果は次の通りであった。
(1) 都市幼稚園はへき地保育所に比べて, 言語能力, 数量能力および一般認知能力が有意に高かった。都市幼稚園は都市保育所に比べて, 一般認知能力が高かった。へき地保育所と都市保育所の間には, すべての尺度で有意差がなかった。
(2) へき地保育所では, 言語, 数量, 一般認知および記憶能力が標準値よりも有意に低く, 都市保育所では言語能力が低かった。都市幼稚園では知覚―遂行能力と運動能力が高かった。
へき地の幼児が言語, 数量および記憶能力で劣るのは, 初対面の検査者に対して言語的な応答がうまくできないことによると考えられた。また, 都市幼稚園とへき地保育所の間に得られた有意差は, 地域の差とともに幼稚園と保育所のちがいを反映していることが示唆された。

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