教育心理学研究
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児童期の性役割態度の発達
柔軟性の観点から
相良 順子
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2000 年 48 巻 2 号 p. 174-181

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抄録
従来の性役割発達研究では, ステレオタイプの知識の獲得に重点が置かれていたが, 本研究では, そのステレオタイプをどう評価するか, という態度を扱った。本研究の目的は, 1. 子どもの性役割態度の発達を認知的, 感情的側面から明らかにし, 2. 性役割態度の発達に関連する要因を検討することである。542名の小学2年生, 4年生, 6年生を対象に, 質問調査を実施した結果, 1) 2年生から6年生の間, 性役割ステレオタイプに対する認知的態度, 感情的態度は年齢とともに柔軟になった。2) 4年生と6年生について, 男子は, 視聴するTV番組の数, 父親の家事参加が認知的態度の柔軟性と関連し, 親のしつけが感情的態度の柔軟性に関連していた。女子は, 親が男性的な職業を期待することが認知的, 感情的態度の柔軟性に関連していた。
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© 日本教育心理学会
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