教育心理学研究
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学校における暴力・いじめ防止プログラムの動向
学校・学級単位での取り組み
松尾 直博
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2002 年 50 巻 4 号 p. 487-499

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抄録

学校における暴力・いじめの問題は, 非常に深刻な問題である。被害者だけでなく, 加害者, 周囲でみている子どもにも悪影響が考えられる。これからのスクールカウンセラーや学校心理士には, 暴力・いじめが起こった後のアフターケアだけでなく, そうした問題を予防するためのプログラムの立案と実行に関わることが期待される。本論文では, 学校における暴力・いじめ防止プログラムに関する研究を概観し, その成果と問題点を考察することを目的とした。最近になつて, 世界各国で数多くの暴力・いじめ防止プログラムが開発されており, 様々な結果が報告されている。それらのプログラムは心理学の基礎理論, 実証的研究の結果を基に開発されており, 問題意識を高める取り組み, 社会的スキルトレーニング, 社会的問題解決, 感情のコントロール, 仲間の力を使った援助などのプログラムが開発されている。最後に関係性攻撃, 能動的攻撃についての対策, 暴力. いじめ防止において学校が果たすべき役割と可能性について考察を行った。

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© 日本教育心理学会
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