教育心理学研究
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中学校における援助サービスのコーディネーション委員会に関する研究
A中学校の実践をとおして
家近 早苗石隈 利紀
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2003 年 51 巻 2 号 p. 230-238

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抄録

本研究の目的は, 中学校における心理教育的援助サービスのコーディネーションを行う恒常的な組織の機能を明らかにすることであった。生徒の「問題行動」 (例:授業のエスケープ, 教師に対する暴言) が頻発する状況にあったA中学校では, 校内の組織である教育相談部会を拡大して, コーディネーション委員会を設けた。そこに, 教育事務所に勤務するスクールカウンセラーが参加して, 問題状況の改善を進めてきた。A中学校のコーディネーション委員会の実践を検討する中で, コーディネーション委員会はその機能として (1) コンサルテーションおよび相互コンサルテーション機能,(2) 学年, 学校レベルの連絡・調整機能,(3) 個別のチーム援助の促進機能,(4) マネジメントの促進機能を持つものであることが示唆された。

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© 日本教育心理学会
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