教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
ISSN-L : 0021-5015
視線恐怖の治療メカニズム
生月 誠田上 不二夫
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 51 巻 4 号 p. 425-430

詳細
抄録

本研究では, 視線恐怖を主訴とする被験者の, 視線恐怖軽減のメカニズムを解明することが目的である。実験1では, 言語反復を含むリラクセーションによる脱感作の手続きを, 実験2では, 拮抗動作法による脱感作の手続きを用いた。いずれも, 自己視線恐怖より, 他者視線恐怖の軽減に効果的であり, distractionが視線恐怖軽減の重要な要因となることが示唆された。また, 自己視線恐怖は自己の視線に関する独特の認知を伴っており, 認知変容のための手続きである自己教示訓練が効果的であったと考えられる。

著者関連情報
© 日本教育心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top