教育心理学研究
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児童における朗読聴取態度に及ぼす朗読聴取量の影響
藪中 征代
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2005 年 53 巻 4 号 p. 529-540

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抄録
本研究の目的は, 第1に, これまで検討されてこなかった活字から離れた状態で行われる朗読聴取行動を取り上げ, 朗読聴取態度の構造を明らかにし, それを測定する尺度を作成することである。第2に, 朗読聴取量の違いが朗読聴取態度及び読書量に及ぼす影響について明らかにすることである。予備調査では322名の小学6年生を対象に, 朗読聴取態度について調査した結果, 朗読聴取態度 (19項目) は, 理解 (5項目), 積極的行動 (7項目), 想像性 (4項目), 意欲 (3項目) の4つの下位尺度から構成されていることがわかった。本調査では小学6年生279名を (1) 1週間に2回朗読を聴く群,(2) 1ヶ月に1回朗読を聴く群,(3) 朗読を全く聴かない群の3群に分け, 予備調査で検討した朗読聴取態度尺度を使用して, 3ヶ月後, 6ヶ月後の朗読聴取態度と読書量について測定した。その結果, 第1に, 朗読聴取を長期に継続することによって, 朗読聴取態度が促進されることが明らかとなった。特に, 理解, 想像性の促進が顕著であった。第2に, 朗読聴取を継続することによって, 読書量が増大することが明らかとなった。
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© 日本教育心理学会
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