てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
症例報告
ナビゲーション支援による硬膜下電極モニタリング後の焦点切除術
秋村 龍夫藤井 正美加藤 祥一梶原 浩司西崎 隆文鈴木 倫保
著者情報
ジャーナル 認証あり

2002 年 20 巻 1 号 p. 25-30

詳細
抄録

頭蓋内ナビゲーションは、術中に、脳神経外科医に病変部位を表示し、手術を補助する装置である。このためには、手術前に、MR画像を撮像する必要があり、頭蓋内電極留置後の皮質焦点切除には応用しにくかった。我々は、多少の工夫により、難治性てんかん患者に対し、頭蓋内電極留置によるモニタリングに引き続き行なう皮質焦点切除術の際に、ナビゲーションを併用しているので症例を提示し報告する。ナビゲーションは、頭皮上にマーカーを置き、MRを施行し、ナビゲーションのワークステーションコンピュータ上で、リファレンスを設定し、画像と術野該当構造を空間座標上に合致させる作業が必要である。頭蓋内電極留置前から、頭皮上にマーカーを置き、MR画像を撮像する。マーカー部位を、モニタリング期間中に維持し、手術操作による頭皮の腫脹などの影響を受けないように留意する必要がある。これにより、硬膜下電極によりマッピングされた皮質切除予定部位と、ナビゲーションにより表示される病変部との関係を確認しながら手術可能であった。髄液の流出と硬膜下電極による圧排による脳の偏位がナビゲーションの正確性に影響することに注意しなければならない。

著者関連情報
© 2002 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top