GABA受容体とK+チャネルはともに、抑制系神経にとって重要なイオンチャネルである。最近、これらの異常でてんかんが発症することが明らかになってきた。GABAA受容体は、主にα1、β2とγ2鎖で構成される5量体のリガンド結合型Cl-チャネルで、迅速性神経抑制を主に担っている。常染色体優性若年ミオクローヌスてんかんではα1の、全般てんかん熱性けいれんプラスとその関連てんかんでγ2鎖のヘテロのミスセンス変異が見出されている。ナンセンス変異が乳児重症ミオクロニーてんかんでも見出されている。電位依存性のKCNQ K+チャネルは、閾値以下の神経興奮性を調整すると考えられるMカレントを作り出す。良性家族性新生児けいれんでKCNQ K+チャネルの主要なサブユニットであるKCNQ2と3にヘテロの遺伝子異常が見出されている。この他にもK+チャネルの遺伝子異常によるてんかんが報告されている。