てんかん研究
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原著
てんかん患者用QOL質問票(QOLIE-31-P)日本語版の言語的妥当性の検討
井上 有史稲吉 大笠井 良修大沼 悌一笹川 睦男八木 和一Cramer Joyce A.
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2009 年 27 巻 1 号 p. 22-32

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抄録
てんかんは患者のQuality of Life(QOL)に重大な影響を与える疾患であるにもかかわらず、本邦においてはQOLを適切に評価できる測定ツールがこれまでほとんどなかった。そこで、海外で評価が高く最も汎用されている成人向けてんかん患者用QOL質問票の一つであるQOLIE-31-P日本語版を、言語的妥当性の手法を用いて作成した。翻訳された質問票の表現の適切性を検討するため、てんかん患者10名を対象としたインタビュー調査を行った。調査結果を踏まえて表現に若干の修正を加えたが、日本語版QOLIE-31-Pは内容的、かつ表面的にも妥当なてんかん患者用QOL質問票であることが検証された。今後更に計量心理学的特性について検討が必要であるが、本質問票は本邦成人てんかん患者のQOL評価の測定ツールとして活用が期待される。
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© 2009 日本てんかん学会
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